双極I型、II型障害の長期リチウム治療に対する補助的オクシカルバゼピンの効果に関するプラセボ対照ランダム化二重盲検試験

オクシカルバゼピン(Oxcarbazepine)は、カルバマゼピンに似た構造を持っており、アメリカでは抗てんかん薬および双極性障害に対する気分安定薬として臨床応用されています。今回のエントリーでは、双極性障害に対してリチウム維持療法を継続しているクライエントに対して、オクシカルバゼピンの追加投与による効果を見た論文からです。

A double-blind, randomized, placebo-controlled prophylaxis trial of oxcarbazepine as adjunctive treatment to lithium in the long-term treatment of bipolar I and II disorder.
Int J Neuropsychopharmacol. 2008 Jun;11(4):445-52.

対象は、双極I型、II型障害で、過去1年間に2回以上のエピソードがあり、現在寛解状態のクライエント55症例です。現在行われているリチウム維持療法に加えて、オクシカルバゼピンを追加投与した投与群とプラセボを追加投与した群に無作為に割り付けられ、52週間経過観察されました。

主要評価項目:YMRS, MADRSで評価した寛解持続期間
その他、CGI-BP-M, GAF, HAM-A, BIS-11(impulsiveness)を評価

結果ですが、再発までの平均期間は、オクシカルバゼピン群で19.2+/-13.9、プラセボ群で18.6+/-17.0でした。
衝動性については、オクシカルバゼピン群で有意に予防効果が認められました。
また、オクシカルバゼピン群では、うつ病エピソードが少ない傾向、GAFスコアが良い傾向が認めました。

コメント

双極性障害の長期維持療法では、リチウムがゴールデンスタンダードになっています。しかし、リチウムのみでは病相予防効果が不十分なクライエントがいる事も事実で、どのように薬物療法を組み立てていくべきか、まだ広くコンセンサスがえられたオプションは無いようです。候補としては、

  • その他の気分安定薬(バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリジン、クロナゼパム)
  • 第2世代抗精神病薬

などがあり、それぞれに有効性試験の結果が示されてきています。

カルバマゼピンは、衝動性には有効であるとの評判でしたが、皮疹や肝機能障害、血球減少などの副作用が少なくない頻度で認められ、あまり使い勝手のよい薬ではないといった印象を持っていました。とくに、副作用プロファイル的にはメンタルクリニックなどでは、使いにくいでしょう。オクシカルバゼピンは、この辺りの副作用が比較的少ないとの事ですが、ここで得られた結果からは、どうやらカルバマゼピンに似た効果が期待できるようですね。

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