平成20年版 自殺対策白書

あちこちでニュースになっていますが、10/31の閣議で、平成20年版自殺対策白書が決定されたようです。早速、こちらのページ[自殺対策ホームページ]からPDFをダウンロードできるようになっています。

今回の白書では、この1年間で行われた対策が具体的に記載されているそうですので、あとでじっくり読んでみようと思います。

ところで、なんでこんなに細切れのPDFで配布するんでしょうね?ダウンロードするだけでも手間がかかってしょうがないと思うんですけど。で、やっとダウンロードしてひとつのPDFにまとめようとしたら、セキュリティの設定で引っかかって修正ができないようになってるし、、、。(まあ、この手の文章を修正されて再配布されたら確かに問題もあるとは思いますが、だったらひとつのPDFファイルで配布してほしいなあ。)

ここでは書けないようなことをゴニョゴニョしようかとも思ったのですが、Adobe Acrobatを使えば、PDFパッケージとしてひとつのファイルにまとめることができることが分かりましたので、とりあえず個人的にはPDFパッケージにまとめて手元においておくことにしました。

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職業別自殺のパターン:イングランドおよびウェールズ2001-2005

今回のエントリーは非常に興味深い内容ですが、残念ながら私の環境では全文が手に入りませんでしたのでアブストラクトからの紹介になります。興味をもたれた方は全文にあたってみてください。

Patterns of suicide by occupation in England and Wales: 2001?2005
The British Journal of Psychiatry (2008) 193: 73-76. doi: 10.1192/bjp.bp.107.040550

自殺率は職業によって異なる事が分かっています。この論文は、英国イングランドおよびウェールズの2001-2005死亡統計から得たデータを解析しています。

上記統計より、20-64歳の成人の死因別死亡割合(PMR:proportional mortality rate)および標準化死亡比(SMR:standaradized mortality ratio)を職業別に算出しました。

男性では建設作業員、プラントおよび機械作業員で、最も多くの自殺者数を認めました。また、医療従事者(PMR=164)および農業従事者(PMR=133)で、もっとも高いPMRを認めました。女性では、管理職と秘書で最も多くの自殺者数を認め、PMRが高かったのは、医療従事者(PMR=232)およびスポーツ・フィットネス従事者(PMR=244)でした。

コメント

PMRとは、このサイトによると「ある特定の死因による死亡数が全死亡数に占める割合である。」との事です。当然、各職業人口が異なりますから、職業別の自殺割合を較べるにはPMRが適当かと思います。男性・女性ともに医療従事者で自殺の割合が高いと言うのは正直ショックですね。まあ、昔から言われていた事ではありますが、、、。イギリスといえば、医療崩壊超先進国として有名ですが、その辺も影響しているのでしょうか?

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インターネット上の自殺関連情報について

今回のエントリーは、インターネット上に見られる自殺関連情報に関する論文です。


もしかしたら、このブログにも自殺をしようと考えて情報を得ようと訪ねて来た方もいらっしゃるかもしれません。ひとりで考えていても、なかなか良い考えが浮かばない事はよくある事です。誰かに相談してからでも遅くはありません。下のリンクをクリックしてみてください。

いきる・ささえる相談窓口


では、本題に入りましょう。

Googling Suicide: Surfing for Suicide Information on the Internet.
Recupero PR, Harms SE, Noble JM.
J Clin Psychiatry. 2008 May 13:e1-e11.

アメリカからの報告です。まず論文前文には、具体例を示しながらどういった情報がインターネット上に掲載されており、それらが具体的にどのような事件と関連していたかについて記載されていました。詳細はここに記述するのは好ましくないと思われますので、項目だけ挙げておきます。

  • 自殺関連掲示板の存在
  • 自殺法に関するサイト
  • Internet Suicide Pacts:自殺幇助の依頼と集団自殺の誘い?
  • インターネットを通した薬物入手
  • online disinhibition effect
    チャットであおられて死ぬ気はないのに大量の薬剤を服用した例
    自殺する様子をbroadcastした例

以上は、どちらかというと自殺に関して有害な情報ですが、一方で援助やサポートをインターネットを通して提供し、それにより自殺が防がれた例も記載されていました。

で、実際の論文の内容ですが、自殺に関連した単語でいくつかの検索エンジンを使って検索し、出て来た上位サイトの内容をレビューして分類したというものです。利用された検索エンジンは、Google, Yahoo!, Ask.com, Lycos, Dogpileでした。Google, Yahoo!, Ask.comは利用率が高い検索エンジンという事で、Lycosは、あまり有名でない検索エンジンで異なった傾向の検索結果が得られるかもしれないという事で、Dogpileはメタサーチの代表という事で選ばれたようです。検索に使用された語句は、suicide, how to commit suicide, suicide methods, how to kill yourselfでした。各検索の結果上位30サイトおよびsponsored linksをレビューし、NEU(自殺に関して中立的サイト)、ANTI(自殺予防・防止の内容を含むサイト)、NSS(自殺と全く関連の無いサイト)、PRO(自殺を促す内容を含むサイト)、ERR(404 Not Found)に分類しています。

結果ですが、616サイトが検索でヒットし373のユニークなURLが抽出されました。そのレビュー内訳は、ANTI 215(34.9%), NEU 180(29.2%), NSS 99(16.1%), PRO 72(11.7%),ERR 50(8.2%)でした。また、検索サイトごと検索語句ごとに、ヒットしたサイトの内容についてまとめられていましたが、検索サイト別ではおおむねもとのヒット数に比例するような形で大きな違いが認められませんでしたが、検索語句によって自殺予防・防止の内容を含むサイトと自殺を促すサイトの比率が異なっているようです。
自殺を促す内容を含むサイトは、その内容により大きく2種類に分類されて、ひとつは単純に自殺を肯定的にとらえているだけのサイトであり、もう一つは日本で言う安楽死の問題について扱うサイトでした。そして、自殺方法に関する記載が認められたサイトの情報は、自殺を肯定している2つのグループと関連しており、グループメンバーの個人的サイトもこのサーベイに引っかかって来ていました。

著者らの考察ですが、まずウェブの検索結果は流動的であるので、この結果は調査時点での事実でしかないと認めています。全体としてみると、自殺に対して予防的な内容を含むサイトが多かったのですが、中立的であると判断されたサイトにも自殺を促すサイトへのリンクが認められることが多く、閲覧者の目的や心理状態によっては、必ずしも中立なサイトとはとらえられなくなる可能性があるとも指摘しています。つまり、その気になれば容易に自殺を促すサイトに到達できると結論づけています。

また、自殺を促したり、自殺方法に関する記載を行っているサイトを法的に規制しようと言う動きもあるようですが、筆者らは、全世界から発信される情報を制御する事が技術的に困難である事から、現時点ではうまく行っていない事を認めています。そして、今回のサーベイで、精神保健の専門家が立ち上げたサイトが、あまり引っかかってこなかった事より、これらのサイトのSEO対策をしっかりする事で、相対的に自殺を促すサイトのヒット率を下げることができるのではないかとしています。さらに、インターネット利用者のネット・リテラシーを上げるような努力も必要になるかもしれません。後半は、逆にインターネットを利用して自殺に対する危機介入が行える可能性について考察がなされていました。

コメント

日本でも、最近、インターネット上の自殺に関連する情報と実際の自殺との関連について大きな問題になっていましたね。この論文は、別に因果関係がどうだとかそういった内容ではなくて、実際にどの程度自殺に関連して有害と思われる情報が検索エンジンでヒットしてくるかを調べただけに過ぎません。ただ、時としてこういった情報というのは、ネットを規制する動きに利用されてしますので、注意が必要だと思います。個人的にはネット上の情報を規制しようとする意見には反対です。技術的な問題もあるかもしれませんが、言論の自由や表現の自由のほうが相対的に大切だと考えるからです。有害なサイトの基準などは、いくらでも恣意的に変更可能な事を考えると、絶対にここは守るべきラインだと思います。

しかし、決して現状のままで良いわけではなく、何らかの対策は必要でしょう。これら自殺を促すようなサイトへ到達しにくくする事が一番だと思いますが、口で言うのは簡単ですが、具体的にどうすれば良いかは、なかなか思いつきませんね。たとえば自殺関連のキーワードで検索した場合に、トップには目立つような形で、相談電話番号やメールアドレス、自殺予防サイトに関するサイトを表示するように義務づけるだけでも、だいぶ違うような気はします。おそらくウェブ上の個人の動きに関しては、ウェブ上でのマーケティングを専門としている方や、それこそ検索エンジン会社の方がより詳しくご存知でしょうから、より細かい対応がすでに技術的に可能なのかもしれません。

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BMC Psychiatryに紹介された臨床試験(1)

BMC Psychiatryには、あらたな臨床試験のデザインが掲載されることがあります。今回は2つの新たに計画されている臨床試験をご紹介しましょう。といっても、非常に重要なテーマの解決に向けた大規模試験のことではありませんので、あしからず。

まず最初は、大うつ病性障害に対して抗うつ薬に葉酸のオーグメンテーション効果を見るための臨床試験です。
Folate augmentation of treatment - evaluation for depression (FolATED): protocol of a randomised controlled trial.
Roberts SH, Bedson E, Hughes D, Lloyd K, Moat S, Pirmohamed M, Slegg G, Tranter R, Whitaker R, Wilkinson C, Russell I.
North Wales Section of Psychological Medicine, Institute of Medical and Social Care Research (IMSCaR), Bangor University, Academic Unit, Wrexham Technology Park, Wrexham, LL13 7YP, UK. seren.roberts@new-tr.wales.nhs.uk
BMC Psychiatry. 2007 Nov 15;7:65.

中等度から重症の大うつ病性障害クライエントを対象に、葉酸5mg/dayを追加投与する群とプラセボを追加投与する群にランダムに振り分け、その効果を見ること、およびその費用対効果を見ることが目的となっています。葉酸のオーグメンテーションがデザインされた理由として

  1. 大うつ病性障害クライエントでは、しばしば葉酸の機能的な欠乏が認めらる
  2. 葉酸欠乏はホモシステインの上昇として評価できますが、うつ病の重症度と相関している
  3. 低葉酸血症は、抗うつ薬への低反応性と関連している
  4. 葉酸は、抗うつ薬の作用するシステムに含まれる神経伝達物質の合成に必要である

ということです。

どのような結果が出てきますやれ。

次にご紹介するのは、耳鳴りに対するrTMSの研究です。
Design of a placebo-controlled, randomized study of the efficacy of repetitive transcranial magnetic stimulation for the treatment of chronic tinntius
Michael Landgrebe, Harald Binder, Michael Koller, Yvonne Eberl, Tobias Kleinjung, Peter Eichhammer, Erika Graf, Goeran Hajak and Berthold Langguth.
BMC Psychiatry 2008, 8:23doi:10.1186/1471-244X-8-23

これは、多施設共同二重盲検プラセボ対照試験です。1 HzのrTMSおよびsham rTMSを2週間行い、効果を比較するものです。

rTMSが慢性の耳鳴りに有効である可能性があるなんて、恥ずかしながら知りませんでした。この研究はPsychosomatics教室(日本で言えば心療内科に当たるのでしょうか?)と耳鼻科を中心に行われるようです。耳鳴りは精神科でもかなり高頻度で遭遇する症状のひとつです。そして、なかなか治療が難しい症状でもあります。まだ結果は分かりませんが、少しでも効果が認められれば、朗報になるのではないでしょうか?

タグ : 大うつ病性障害 葉酸 オーグメンテーション 耳鳴り rTMS

ブログテンプレートの変更

このブログは、公式テンプレートのfragment_of_summerを使用させてもらっているのですが、なぜか本文でのリスト表示が出来ませんでした。プレビュー表示ではきちんと番号つきリストになっているのに、いざ記事をアップロードすると、番号が消えてしまっていました。
しばらく放置していましたが、本日のエントリーがリスト表示ができないと非常に見難いことから、思い切って原因を探ってみました。
テンプレートのCSSを見てみたところ、
ul, ol, li, dl, dt, dd {
list-style: none;
}
こんな設定になっています。おそらく、これが原因では無いかとあたりをつけて、まずはこの設定を削除してみましたが、うまくいけませんでした。
HTMLを見てみると、liタグでレイアウトをしているパーツがありましたので、サイト全体でliタグの属性を変更してしまうと、全体のレイアウトが壊れてしまう可能性がありそうです。
そこで、ブログエントリーのボディー部分にあたるdivボックスに以下の設定を付け加えました。
div.entry_body li {
list-style-type: decimal;
}

div.entry_body ul, ol {
margin: 0 0 0 2em;
padding: 0;
}
一応、これで無事リストの表示が出来るようになったようです。
IE 6, firefoxでしか確認していませんが、多分これでいけるでしょう。

STEP-BDエントリー一覧も随分見やすくなりました。

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